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    百年の孤独

     名というのものは,避けがたくそのものを「規定」してしまうことがしばしばあります。

     「百年の孤独」とは,その題名をつけられた時点で,「勝負」は決まったという種類の名にあたるかもしれません。

     わたしたちがこの教室につけた「ば」という名も,わたしたちの「考え方」,というよりもわたしたちの「構え方」をおのずと示すものになっていれば,と思います。

     将来的に,何かの分岐点があったときに,この名において選択をすれば,それほどおかしなことにならないのではないか。
     かつ,子どもたちにとっても同様な基点となり得るのではないか。
     
     などなど,いろいろと考えながら,一方で毎日の教室風景は確実に展開をしていっています。


     さて,W先生による英語の授業がいよいよ始まりました。

     初回の授業では,何と「英語」は一分もやらなかったそうです。
     それでは,一体,何をして過ごしたのでしょう。

     まず生徒たちに,海外の長編小説ベスト100のリストを配布し、とりあえず50位までひたすらワイワイと賑やかに暗記をさせ,その後にそれについてテスト。
     もちろんいくつも間違えるわけですが,間違えた場合はその数に応じて読書の宿題を出すというものだったそうです。

     長編小説ベスト100のリストとは,新潮社の「考える人」08年5月号で特集されたものです。129人の選者がそれぞれの思いや考え方でいくつかの作品を挙げて,それを集計して一覧にしたもの。

     さてベストテンは何でしょう?
     まずは4位から10位まで。

    4.セルバンテス「ドン・キホーテ」
    5.カフカ「城」
    6.ドストエフスキー「罪と罰」
    7.メルヴィル「白鯨」
    8.トルストイ「アンナ・カレーリナ」
    9.カフカ「審判」
    10.ドストエフスキー「悪霊」

     カフカとドストエフスキーがそれぞれ2つも入っていますね。日本の翻訳事情も反映しているでしょう。

     ベスト3は,
    3位に ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」
    2位には プルースト「失われた時を求めて」

    そして1位が ガルシア=マルケス「百年の孤独」

     もちろん,賛否はいろいろあるでしょうし,そもそも129人の人選が妥当かどうかも,意見は分かれるところでしょう。たとえばプルーストを何人が読み通しているかどうか,怪しいといえば怪しい。
     (ちなみにいつか機会があれば触れますが,「読み通すこと至上主義」は実はこれもかなり怪しいまたは初心な価値観である可能性もあります。)

     しかしここでその種の「野暮」は言うべきではない。

     もちろんW先生は,そのあたりは十分認識した上で材料として使っているわけです。

     子どもたちは,ずらっと並んだ作品を前に過去に読んだ経験があるものに,マーカーで線をひく作業もやっていきました。

     野球漬けで真っ黒な生徒が結構多くの作品を読破していたり,まったく読んでいないことに恥じらいをおぼえる生徒がいたりと,いろいろな場面があったようです。

     途中で脱線して,「西の魔女が死んだ」や「博士の愛した数式」の話で生徒同士盛り上がる一幕も。 

     そのうちにこの教室では,たとえばカフカを少なくとも2冊は読了しているということが「常識」になることでしょう。

     それは希有なことです。
     現場の教師経験のあるような人であればあるほど,その希少さはおわかりいただけると思います。

     W先生はそれが英語も含めた言語の力をつけることにつながると確信していながらも,全く「英語」をやらなかったので、感想が楽しみなようなこわいようなと笑っていました。

     しかし実際には,W先生の思いは確実に伝わっています。

     体験授業の時に出した宿題「面白い本を探してこい」への応答として、3人の生徒はなんとそれぞれ1冊ずつすでに読了、ある他の中学生は坂口安吾を,高校生達は恩田陸やホーキングなどめいめい選んできたとのこと。
     おまけに2人の生徒は既に「百年の孤独」を読み始めていたそうです。

     W先生は,その「素直さには驚きました。さらに自分の影響力にもびっくりです。」と感慨をしていました。

     もちろんたとえば,学校の普通の授業中に,一般的に罰則なしにこの種の課題を出して,読んでくることがそうそうありうるでしょうか。おそらくかなり困難なことは想像していただけるでしょう。ましていわゆる「進学塾」のような場所ではますます難しい。クレームの山になることも十分にありえます。


     この種の試みは,教え手と学び手とそして場をそろえることで,ようやく実現可能なことだと思います。
     いずれかが欠けていれば,この種の提案は冷ややかな反応を返されるだけでおしまいでしょう。
     

     W先生の報告の最後は,「そういえば、英語は全くやらなかったとはいえ、N君がリストの暗記をしているときにふと、「先生ぇ、なんかオススメの英語の本ない?」ときいてきたんです。わが底意通じたり、との心地がしました。」と結ばれていました。

     立派な英語の授業内容だったわけです。

    ばへのリンク→数理言語教室 ば
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     「小学から高校までの12年教育」
    【小1から始めて、集中力、継続力、自発性ある子に】

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    ■子どもたちは樹の香りのする寺子屋風の教室で、無垢の木の机を囲み、床に座ってのびのびと学習します。

    ■大学受験予備校講師や中学受験指導経験豊富なプロ講師が難関大学突破水準を目指し、12年間をかけて、子ども自身に読ませ、書かせ、考えさせることを徹底するという本来そうあるべき方法で丁寧に指導し結果的に高水準の学力をつけていくことを目指します。

    ■「自分からなかなか始められず、始めても続かない」「親や教師が常に横についていないと、まともに前も向いていられない」といういまどきの手のかかる子ではなく、長期間をかけ、集中力、継続力をつけ、自発的に学習できる子に育てていきます。

    ■設置講座:新小1、2、5、6、中1、3高2。小6年英語。

    ■ベテランプロ講師による医学部東大京大など難関大学、超難関中学受験個人指導、少数限定募集。

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     高の原駅近くに寺子屋形式の教室を開きます。
     子どもたちが杉の床に座り無垢の一枚板に向かって,たのしみながら,のびのびと学ぶ教室です。

     大学,中学受験のベテランプロ講師が,進学中学高校によらず,東大京大国立医学部など難関大学を目標に,小学1年生から高校3年までの12年間を一貫指導します。

     小手先の受験テクニックの暗記ではなく,長期的視点で「読む」「書く」「聞く」「考える」の基本から丁寧に習得することで,余裕をもって受験も突破するという本来そうあるべき形で学習を進めていきます。

    ※詳しくはお問い合わせください。


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    石橋英樹 〔「数理」担当〕
    :専門 受験数学,物理学

    大学時代から20年以上を京都で過ごしてきました。

    大学での専攻は天文学。
    科学全般,思想,文学,文化人類学,社会学、映画論など,多くの分野に関心があります。

    超難関大学受験指導経験が20年以上あり、特に京大や国公立私立医学部には多数の生徒を送り込んできました。

    大人数相手の講義から個別指導まで各形式での指導経験豊富。
    大学受験生はもちろん,大学生,社会人,外国人留学生まで様々な指導経験があります。

    京大トップの学生から,全くの0の学力の学生まで,あらゆるレベルの生徒への指導経験多数。

    妻および小学制の娘、息子と暮らしています。

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