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    場のありよう 2

     昨日と今日の二日にわたって,大学入試センター試験が行われています。生徒たちはそれぞれさまざまな思いをもって,受験に臨んでいます。
     
     結局,試験会場では独りで問題に向かわなくてはなりません。教師も親も横に座ることはできないのです。そこでは誰もヒントを与えてはくれませんし,ミスも訂正はしてくれない。
     そのような条件でも,力を発揮できるように,何年もの準備を続けてくるのです。わたしたちは常にこの場面を想定しながら,この日に安心して会場に送り出せることを目指して,日々を積み重ねていくわけです。

     いまはひとりひとりが自分の持つ力を十分に発揮してくることを信じ,待つだけです。


     さて,前回の続き。
     
     2つ目の体験です。

     こちらも10年以上続いている,主に浪人生を対象にした場所でのことです。
     わたしはこれまで,同僚には恵まれてきました。実は予備校のような業界では,「稼ぎ」にきているような人物も少なくないですし,(冗談のようですが)同僚の悪口を授業中に生徒に対して言い合ったりするような予備校もあります。講師の集まりでは金儲けの話ばかりに終始するような講師を集めた学校もあります。

     一方で人格的にも尊敬できる人たちもたしかにいて,そこはそのような人格実力ともにそなえた人ばかりがそろった貴重な場所でした。そういう人たちは真面目ですから,生徒の実力を真正面から本気で伸ばしにいくようなやり方で教えていました。実際に,普通の場所ではとても相手にはされないような生徒が,力をつけて医学部に通っていったりもしていました。運営側もうちは生徒で商売はしないということを広言してやっているという珍しい場所だったのですが,この種の取り組み方は「経営」的には効率が悪いわけです。

     ある年に,そういう状況を「改善」しようと新興の教育産業と提携を試みます。次々と規模を拡大していくビジネススタイルで急成長を狙う流行りの株式会社で,その提案でクラス編成は効率の良いものに一変し,授業の半分はあちらが送り込んできた講師が受け持つという事態になるのです。
     それでもその年度の生徒は春から互いに仲も良く,常に笑い合って声をかけあっているという雰囲気でしたので,わたしたちは一安心でした。

     しかし途中で雰囲気が変わるのです。まず「いじめ」が発生します。特定の生徒に対し,無視したり,集中的に嘲ったり,授業中に悪口を書いた紙をまわしあったり,のけ者にしたりといったことが起きます。しかしわたしたちはしばらく気づきませんでした。なぜなら,そのような振る舞いは,特定の授業中におきていたからです。

     これを教えてくれたのは,古くからいる同僚でしたが,彼女も生徒からの相談で初めて知ったということでした。その後でいろいろと様子を調べると,そのようなことが起きているのは,見事なほどに新しく入ってきた先生たちの時間内のみでした。考えてみれば,少人数の授業中にたとえば紙を回し合うことを気づかないというのはよっぽどのことです。

     彼らは彼らなりに自分たちの行為にうしろめたさがあり,そのような自分の姿を見せてもいい相手と見せることにためらいを感じる相手とを無意識に分けていたものだと思われます。

     それを知った後に,わたしたちはフォローに入りますが,元々は仲の良かった生徒間にも次々と亀裂が入り最後にはお互いがほとんど口をきかない状態で一年を終えていきました。これまでの10年以上の中で初めての出来事でした。場がくずれるとはこういうことなのだと実感した一年でした。

     この年度の生徒たちが悪質だったとは,まったく思えません。きれい事ではなく,いつもの年度の生徒たちと客観的にくらべても,ひとりひとりはとても気のいい生徒でした。もっと問題を抱えた生徒はこれまでにもたくさんいたのです。しかしそのような生徒も,これまでは笑顔で卒業をしていき,今でも時折顔を見せてくれます。この年度の生徒たちも,それ以前の場で迎えてていれば,このようなことにはならなかったのは確実です。

     そもそも受験生活とはストレスがたまりやすく,発散する方法も限られてきます。大なり小なりストレスの発散はしなくてはなりません。したがって,すこし間違えばこのような発現の仕方をしてしまうのは理解できることです。その発現の具体的な仕方を決めるのは,まさに「場の質」です。

     まともな場が成立していないところではお互いの良質な関係もつくることが困難だということは,学校に限らず,会社でも地域でもそして家族でも一般的に感じることではないでしょうか。
     場が成立をしていないところでは会話も困難です。互いに言葉尻をとらえ,言質を取り合って,言った言わないを繰り返す・・・このようなことを経験した人はだれもがその不毛さを知っているでしょう。
     そのような場面の頻発が示すのは,会話の中身の妥当性ではなく,場の劣化です。

     そこで冒頭の問いを別の形でやり直します。
     『教師が授業中に不適当な発言をするのは問題か。』
    「問題」であるかどうかは,実はそれほど問題ではありません。そんなことよりも,そのようなことが「問題」となってしまう場そのもののありかたが重要なのだと思います。
     場が成立していれば,そもそもこのようなやり取りにはならないはずです。そして,そこに商売目当てのマスコミが便乗してくることにもならないでしょう。

     わたしたちのこの「ば」では,このことを十分に意識しようと思います。その意味も含めて「ば」と名付けたのです。


     さて,センター試験。皆が無事に今日の一日を乗り切ってきてくれると良いのですが。


    数理言語教室 ば
    H.I.
     
     
     
      

     
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     「小学から高校までの12年教育」
    【小1から始めて、集中力、継続力、自発性ある子に】

    ****************

    ■子どもたちは樹の香りのする寺子屋風の教室で、無垢の木の机を囲み、床に座ってのびのびと学習します。

    ■大学受験予備校講師や中学受験指導経験豊富なプロ講師が難関大学突破水準を目指し、12年間をかけて、子ども自身に読ませ、書かせ、考えさせることを徹底するという本来そうあるべき方法で丁寧に指導し結果的に高水準の学力をつけていくことを目指します。

    ■「自分からなかなか始められず、始めても続かない」「親や教師が常に横についていないと、まともに前も向いていられない」といういまどきの手のかかる子ではなく、長期間をかけ、集中力、継続力をつけ、自発的に学習できる子に育てていきます。

    ■設置講座:新小1、2、5、6、中1、3高2。小6年英語。

    ■ベテランプロ講師による医学部東大京大など難関大学、超難関中学受験個人指導、少数限定募集。

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     高の原駅近くに寺子屋形式の教室を開きます。
     子どもたちが杉の床に座り無垢の一枚板に向かって,たのしみながら,のびのびと学ぶ教室です。

     大学,中学受験のベテランプロ講師が,進学中学高校によらず,東大京大国立医学部など難関大学を目標に,小学1年生から高校3年までの12年間を一貫指導します。

     小手先の受験テクニックの暗記ではなく,長期的視点で「読む」「書く」「聞く」「考える」の基本から丁寧に習得することで,余裕をもって受験も突破するという本来そうあるべき形で学習を進めていきます。

    ※詳しくはお問い合わせください。


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    石橋英樹 〔「数理」担当〕
    :専門 受験数学,物理学

    大学時代から20年以上を京都で過ごしてきました。

    大学での専攻は天文学。
    科学全般,思想,文学,文化人類学,社会学、映画論など,多くの分野に関心があります。

    超難関大学受験指導経験が20年以上あり、特に京大や国公立私立医学部には多数の生徒を送り込んできました。

    大人数相手の講義から個別指導まで各形式での指導経験豊富。
    大学受験生はもちろん,大学生,社会人,外国人留学生まで様々な指導経験があります。

    京大トップの学生から,全くの0の学力の学生まで,あらゆるレベルの生徒への指導経験多数。

    妻および小学制の娘、息子と暮らしています。

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